病院概要

副院長より

副院長あいさつ

2020年4月から副院長の職を拝命いたしました。地元の門前町出身で、親の面倒をみようと2002年に当地に赴任いたしましが、皮肉にも二人とも当院で見送りました。

また以前指導いただいた恩師や友人、近所の人などの最期を見届けることも多く経験しました。両親ともなくなり当地に残る理由もなくなったのですが、地元や能登が好きなのかずっとい続けています。

これまで様々な光景を見、様々なトラブルを経験してまいりました。なかでも最も大きいものは、やはり能登半島地震ではないでしようか。私は透析を担当しておりましたので、透析が物理的原因にてできない状況がどれほど困難であるか身をもって知りました。あたりまえにある日常の治療ができない状況が現実にはあるのだと認識いたしました。幸い県立中央病院を中心とする他の病院の助けもありなんとかのりきることができました。このような経験から他院との連携の大切さを思い知りました。(残念ながらあの地震を経験した透析スタッフが透析室には私ともう一人しかいなくなりました。)

最近この透析施設は別の問題に直面しております。それは、透析患者がどんどん増加してベッドが足らなくなっております。基準に満ちた数の看護師の配置すら困難な状況にあり、やむをえず当院からよその病院へ透析患者を紹介することが必要になっております。

今後も透析患者が増える限りこの問題は解決しません。

当院はへき地医療をになう奥能登の中核病院です。このような病院はどこも2つも問題をかかえております。一つはその病院だけでは治療が完結しないという場合がかなりあるということ。もう一つは過疎地独特の問題です。

高度な専門的治療を要する場合はどうしても他院と協力して転院など手配する必要があります。また老々介護、認々介護、高齢独居などの問題をほかの病院や施設と協力して入所入院などして対処する必要がありますが、現状は厳しい状況にあります。ここの問題はそれぞれ別個に対応していき当院に受診なり相談なりしてよかったと思っていただけるよう努力したいと思います。

                                                                                                                   令和2年4月 市立輪島病院 副院長(内科) 松本 洋